労働者50人未満の会社ストレスチェック実施義務はいつから?

2015年(平成27年)12月から、労働者のメンタルヘルスの不調を未然に防止することを目的に、常時50人以上の労働者を使用する事業場に、ストレスチェックの実施が義務付けられました。

そして2025(令和7)年5月14 日に改正労働安全衛生法が公布され、常時50人未満の労働者を使用する事業場においても、ストレスチェックや高ストレス者への面接指導の実施が、義務づけられました。

この記事では、ストレスチェック制度やストレスチェック費用の負担、受診時間に賃金の支払いは必要かについて、詳しく解説します。

ストレスチェックの実施が必要な会社とは?

ストレスチェックとは、労働者がストレスに関する質問票に回答することで、自分のストレスの状況や原因が把握できる簡単な検査です。また事業主は、ストレスチェックの検査結果を集計・分析することで、職場環境の問題を把握でき、うつ病など労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することができます。

ストレスチェックは、労働者が常時50人以上いる事業所で、下記の①、②を除くすべての労働者に対して毎年1回実施が必要です。

①契約期間が1年未満の労働者

②労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者

ストレスチェックの導入・実施の流れは?

「事業所規模の拡大で、社員が50人以上になる」という場合、ストレスチェックの実施が必要になります。

ストレスチェックの導入・実施の流れは、下記の1~7の流れで実施します。

1.ストレスチェックの実施時期や方法、面接指導の担当医師を決定、社内規程の策定など、導入前の準備をする

2.質問票を対象労働者に配布し、記入または入力してもらう

3.記入・入力が終わった質問票は、医師などの実施者(またはその補助をする実施事務従事者)が回収する

4.医師などの実施者が回収した質問票に基づきストレスの程度を評価し、高ストレスで医師の面接指導が必要な者を選定する

5.医師などの実施者から、直接本人に本人に評価結果を通知する。

6.「高ストレスで医師の面接指導が必要」と通知された労働者本人から医師による面接指導の申出があった場合は、医師に依頼して面接指導を実施する

7.就業上の措置の要否・内容について医師から意見聴取を行い、労働時間の短縮など必要な措置を実施する

記入・入力の終わった質問票の内容を、第三者や人事権を持つ職員が、閲覧することはできないので、ご注意ください。

またストレスチェックの結果は、医師などの実施者が保管し、企業には返ってこないため、結果を入手するには、結果の通知後、本人の同意が必要です。

6の面接指導を実施した場合は、記録を作成し、事業所で5年間保存する必要がありますが、以下の内容が含まれていれば、医師からの報告をそのまま保存することもできます。
① 実施年月日
② 労働者の氏名
③ 面接指導を行った医師の氏名
④ 労働者の勤務の状況、ストレスの状況、その他の心身の状況
⑤ 就業上の措置に関する医師の意見

なお努力義務とされていますが、ストレスチェックの結果を職場ごとに集団的に分析し、職場環境の改善に活用することで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止しましょう。

出典:厚生労働省「ストレスチェック制度簡単導入マニュアル」

ストレスチェックの質問内容は?

ストレスチェックの調査票は、特に指定されておらず、質問項目に下記の①~③が含まれていればいいとされています。

①ストレスの原因に関する質問項目

②ストレスによる心身の自覚症状に関する質問項目

③労働者に対する周囲のサポートに関する質問項目

「どのような質問項目を設定すればいいかわらかない」という場合は、国が標準として示した厚生労働省の「職業性ストレス簡易調査票(57 項目)」の利用を推奨します。

出典:厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票(57 項目)」

「外国人労働者がいる」という場合は、10か国語(英語、中国語、ベトナム語、タガログ語、ネパール語、ペルシャ語、ポルトガル語、ミャンマー語、スペイン語、インドネシア語)に翻訳された「職業性ストレス簡易調査票」と「ストレスチェック受検案内の文書例」が厚生労働省ホームページに掲載されています。

出典:厚生労働省「外国語版の職業性ストレス簡易調査票等」

またストレスチェックは、会社のパソコンなど ICT を用いて実施することも可能です。厚生労働省のホームページでは、ICT を用いてストレスチェックを実施する場合に利用可能な「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」が無料で提供されています。

出典:厚生労働省「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」ダウンロードサイト

労働者50人未満の会社ストレスチェック実施義務はいつから?

現在、常時使用する労働者が50人未満の事業場では、ストレスチェックの実施は当分の間、努力義務とされています。しかし2025(令和7)年5月14 日に改正労働安全衛生法が公布され、労働者数 50 人未満の事業場に対しても、ストレスチェックの実施が義務づけられることになりました。施行日は、公布後3年以内に政令で定める日とされています。今後、国において、50人未満の事業場に即したストレスチェックの実施体制・実施手法についてのマニュアルの作成や、医師による高ストレス者への面接指導の受け皿となる地域産業保健センターの体制拡充などの支援を進めていくということです。

出典:厚生労働省リーフレット「労働安全衛生法及び作業環境測定法改正の主なポイントについて」

ストレスチェック費用の負担は?受診時間に賃金の支払いは必要?

ストレスチェック及び面接指導の費用については、法で事業者にストレスチェック及び面接指導の実施が義務づけられている以上、当然、事業者が負担すべきとされています。またストレスチェックや面接指導を受けるのに要した時間についての賃金の支払いについては、労働者の健康の確保は事業の円滑な運営の不可欠な条件であることを考えると、賃金を支払うことが望ましいとされています。

出典:厚生労働省ストレスチェック制度関係 Q&A

まとめ

現在、労働者50人未満の事業場では、ストレスチェックの実施義務化までの猶予期間ですが、最長で2028年5月までに義務化されます。厚生労働省の実施マニュアルなどを参考にして、早期の導入準備を行い、職場におけるメンタルヘルス不調を未然に防止しましょう。

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